少し前の記事で、足し算と引き算の考えについて述べたことがあります。
人生の質を向上させたいとお考えの時に、この二通りのアプローチがあるという考えです。
お酒を止めることは、引き算からのアプローチです。
何か実現したいことが出来た時、今まで持っている何かを捨てるのが引き算。
実現するために、新しく何かを得ようとすることが足し算。
簡単な方は引き算からのアプローチだと私は考えています。
もっと言うと、引き算と足し算はセットになっているのです。
何かを捨てれば、別の何かを得ることになる。
何かを得ようとすれば、何かを捨てることになる。
お酒を止めることによって、得ることになるもの。
それは、時間です。
時間とは、私たちの最大にして公平であり、かつ最強の財産です。
時間を獲得することによって得られるものは、無限のメリットであり可能性であるはずです。
自己を肯定する気持ちが高まる
この部分は、本当に大きなメリットです。
自分を許せるようになり、価値ある存在として自分への肯定感が増えてくるからです。
「こんな自分でも、まんざらでもないよね。」
と思えるようになってくることです。
お酒をやめることで、自分自身が喜んでいることがわかります。
奥の奥から、喜びが湧き上がることを感じる瞬間があるからです。
そして、この先の延長線上にある未来が楽しみになってくるのです。
逆にお酒を飲んでしまうと、何とも言い難い苦い気持ちに襲われてしまうでしょう。
「また振り出しに戻ってしまった・・・」
「断酒直後のあの症状に耐えていかないといけないのか。」
きっと、そんな気持ちになるはずです。
だから、スリップだけは絶対にしたくはありません。
何よりも辛いのは、お酒を飲み始めることによって未来への展望が一瞬で変わってしまうことです。
私には、耐えられないでしょうね。
スリップしてしまったとしたら・・・
どうしても自分の中の好奇心が勝ってしまって、お酒を飲んでいる人のyoutubeを見てしまうことがあります(^-^;
普通に飲んでいる方の動画ではありません。
1週間や、1ヶ月の禁酒後にお酒を飲むような動画です。
「1ヶ月禁酒してきましたぁ!今日から解禁です♪」
といって、ビールをグィッと飲んでいく動画を時々見てしまいます。
お酒もはやくまわっていい気分になっているのが、表情から伝わってきます。
ニコニコと、美味しそうで穏やかな表情でこれまた飲んでいるのです(^-^;
やっぱ、正直言って美味しそうだなとは思いますよ。
「こんな平和な雰囲気で飲むお酒も昔はあったなぁ。」
と感じることもあります。
断酒9ヶ月目に入っている今でもです。
それでも、私はスリップしようとは絶対に思いません。
今の私にとって、一番大切にしているものが一瞬で失われることがわかっているからです。
スリップによって失われるもの
こうしてノンアルの生活を過ごしながら、自分の人生を再び取り戻している気持ちになっています。
自分で切り開き、自分で選択していく人生です。
だからこそ、これからの未来に希望を感じるのです。
楽しみなのです。
「結果は問わない。ただ、今もこの先も充実した時間を取り戻しながら生きていこう。」
そんな心境で日々を過せています。
たった一度のスリップでも失われるのは、おそらくこのような心境です。
「フリーダム!!♬」
と心が躍るように跳ねているこの心境が失われてしまうのです。
あまりに大きすぎる代償です。
寂しさもあるがそれでも変化し続ける
会社の同僚や上司から、再飲酒へのおススメを柔らかい表現で受けることが時々あります。そんな時、飲み会で飲んでいた頃が少し懐かしく感じることもあります。
私はどちらかというと、そんな縛りの多い飲み会は大嫌いな方なのですが(^-^;
それでも、サラリーマンとしてお酒の力を借りて胸襟を開いて話すような場もあったような気がします。
もう自分には体験できない場となりました。
8割はスッキリした気持ちですが、それでも残り2割程度は、少しの郷愁みたいなものを感じるのです。
特に上司や同僚から、「もう飲まないの?」と聞かれるような時には。
もし私がまだ酒飲みで、誰かが断酒したとしたら。
逆の立場であれば、きっとまた一緒に酒飲んで馬鹿話しながら楽しみたいと思うでしょう。
それでも、やはり変化し続ける必要があると私は思います。
強い者や賢い者ではなく、変化し続ける物が生き残っていくのです。
どこかの段階で、脱皮しなければ生きていけなくなる時が来るのです。
変化によって過去すら変えることが出来る
飲酒習慣を続けたままの延長線上で、今が過去になる時。
お酒を飲み続けた未来から、今の飲み続けている自分を見たとしたらきっとその過去を美しいものとして見ることは出来ないでしょう。
後悔の念の方が大きくなることは、自分の人生だからわかります。
現実には、こうして断酒生活を続けている私です。
もうお酒のことを普段の日常で考えることも、すっかり少なくなってしまいました。
そんな今だからこそ、過去の自分を許せるという心境になっています。
お酒を手離した今だからこそ、昔の飲んだくれていた自分を許せるのです。
飲酒していた経験ですら、これからの人生を豊かにしてくれる材料になってくれているからです。
無駄な経験は無いのだから、これからの自分に活かしていこうと思えるのです。
「過去はもう変えられないが、未来は変えられる」
とよく言います。
でも過去であっても変えることは可能であると、この経験から学びなした。
暗くて最悪だった自分の飲酒末期の過去ですら、未来を明るくすることによって変えることが出来るのです。
貴重な教訓として、隠し味としてこれからも活かしていくことができるのです。
お酒をやめて、自己肯定感が深まる。
そして、自分の過去すら美しいものに変えていくことが出来ることを知りました。
□お酒をやめて深くなった、自己肯定感
□自分の過去すら許せるようになる
□希望を感じる未来をスリップによって手離すことはない
□変化によって、過去の習慣におさらばする寂しさはある
□未来も過去も美しいものに変えるために、変化が必要