結婚後20年に迫っていた時期に初めて訪れた、家族関係の危機。
そんな状況を打開しようと考えたことは、娘と一緒に部屋の掃除をすることだった。その思いも叶わず、娘に体罰をしてしまった私。
そして、状況は最悪の方向へ・・・。
壊れてしまった父と娘の関係 3
夫婦との話し合い
娘を叩いてしまった数日後、妻と私は話し合いを行うことになりました。
既に夫婦関係は傾いてきている状況ではありましたが、どこかで改善していきたいといった気持ちは持っていました。
少なくとも私の方は、何とか改善できる方法があればと思っていました。
「今晩話し合おう。」
出張に出る前日に妻へラインで伝え、妻も同意してくれました。
その時も素面での話し合いはどこか不安で、私の方は缶ビール数本準備して飲みながら色々と話し合いました。
なぜ、娘にあんなことをしたのか?
自宅の玄関に近づくと、急に顔が青ざめて深呼吸を始めた娘のこと。
父に対して心を固く閉ざしてしまった娘。
そのような事を聞かされ、私の方も何か歩み寄れる手段は無いのか必死で考えていました。
夫婦関係がおかしくなった原因を具体的にお伝えすることは、ここでは難しいです。
その原因についても、話を進めていきましたがお互いの主張を変えることまでは出来ませんでした。
「娘のこと、大事に思っとるんやろ?」
妻に問われます。
「大事。」
「可愛いと思っとる?」
「可愛い。」
愛犬を抱きながら、そう伝えました。
「明日、自分から娘に謝る。」
そのように申し出ました。
「それはまだ止めた方が良い。タイミングがあるから。それは待って。」
そのように言う妻。
娘への思いが夫婦一致していることを確認して、その時の話し合いが終わりました。
これで、大丈夫かな?
少しずつでも改善に向かって欲しい。
淡い期待を感じさせてくれた話し合いでした。
2018年も師走に入っていた時期です。
娘に謝った朝
「○○(娘の名)ちゃん、ごめんね。」
出勤前に、朝食を取っていた娘に私は声に出してあやまりました。
妻は、キッチンで食器洗いをしています。
娘は黙ったまま、母の方を向き表情を確かめています。
その日の会話はそこで終わりました。
それでも、確実な一歩でした。
年末・正月に入った頃には、ほんの少しですが、娘との会話も成立するようになってきていました。
ただ、その年の正月は家族一緒に過ごすことはありませんでした。
関係が悪化していた時に、既に妻の方は自身のご両親と娘との温泉旅行を計画しており、私の方は知人とのゴルフを入れていたからです。
それでも娘の温泉旅行先から娘とラインでのやり取りが出来たことは、私にとって束の間の休息でした。
一人で過ごしていたお正月でしたが、精神的には少しだけ安らげてお酒も朝から飲んでいました。
今考えると、これが私にとっての最後のお正月のお酒だったのですね。
綱渡りだった夫婦関係
関係を取り戻しつつあった妻との関係。
ですがお互い、
『腫物には触れず』
といった微妙な日々を過していた気がします。
核心部分には触れることなく過ごしていた、2019年に入ったばかりの1月。
長く会話の無い重い雰囲気で過ごしてきたことから、どこか二人には慎重な部分がありました。
どんな原因であれ、口論となるきっかけがあった場合には最悪の事態になるかもしれない。でも、あの重たい雰囲気にはもう戻りたくはない。
そのような日々を過していました。
娘のミュージカルの発表会も近付き、1月も終わりになる頃。
時間がかかるだろうけど、何とかこれで修復出来るかもしれない。
そんな希望を感じながら過ごしていた数週間でした。
ですが、試練はまたやって来ます。
妻と激しい口論をしてしまったのです。
始まった夫婦別居生活
口論のきっかけは、些細な『犬も食わない』夫婦喧嘩でした。
ですが、それをきっかけに再び会話の無い関係が始まりつつありました。
そんな雰囲気の中、娘の方は妻の実家に当分寝泊まりすることになりました。
私の知らない間に、妻とそのように決めていたのです。
今考えると、学校で色々な悩みを抱えていた娘。
そんなことはツユとも知らず、
「自分への不満なのか?」
と少し納得出来ない自分もいました。
そんな中、再び会話の無い夫婦関係に戻ってしまった毎日。
「もうダメだ。これ以上はもう無理かもしれない。」
そのように感じていました。
そうして、二人の感情が大爆発したのです。
最悪の言葉も出てきました。
「この家の居心地が悪い?ふざけるな!」
「自分の娘に手なんか出して!あれがずっと尾を引いてしまっていることがわからないの!?」
そんな口論の後、妻は娘の洋服をまとめて自宅を出ました。
そして、その日を最後に妻も自宅へ戻らなくなったのです。
長い別居生活の始まりでした。
2019年2月下旬。
お酒を飲んでも楽しいとは思えない日々が本格的に始まった日です。
□妻と話し合い、娘へもあやまることが出来た自分
□それでも、慎重な夫婦関係を過ごしていた
□ある日、大きな口論をしてしまう
□その日から家を出ていった妻
□長い別居生活がスタートし、酒量が増える日々が始まる